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小林よしのり
2019.1.26 11:03日々の出来事

「ルンペン」という言葉を使うなんてえらい

朝ドラ『まんぷく』で「ルンペン」という言葉を使っていた。

『よしりん辻説法』で昭和30年代の描写をするときに、
「乞食」という言葉を使ったが、すんなり通ったわけではない。

「乞食」「物乞い」「ルンペン」「浮浪者」「ホームレス」
色んな言い方があるが、昔は「ホームレス」は確実に使わ
なかった。
「浮浪者」というのも、昭和30年代に一般人が生活の中で
使った言葉じゃなかろう。

庶民が使っていたのは、やはり「乞食」か「ルンペン」だ。

いつの間にか差別語だと言われ、自主規制される言葉が
増えすぎて、作品で使用するときに、いちいち議論が必要
になったのが煩わしい。

最終的には「FLASH」は「乞食」を使わせてくれた。
朝ドラで時代性を損なわないように「ルンペン」を堂々と
使ったのは立派だ。

「あまちゃん」のときは、80年代なのに、タクシーで
シートベルトをしていたから、時代錯誤が凄かった。

「めくら」も「つんぼ」も、それを使っていた時代なら、
使用して構わないと思う。
『座頭市』のような作品が生まれなくなる。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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